清音とまがりくるもの/黒川排除 (oldsoup)
 
四角い仕切りから踊ったままの少女サークルへ

供物の書開く度開く音疼く疼く寺院

接続部位死ねば友の思考に割り込む糧

湿布の群が河となり流れる岩沿い

市が粒に見える坂の天辺から粒

目薬流す工夫ら大穴広げつつ

氷齧る音が脳の透明に響く

結末に亀の甲羅を置いて這う

忽然と人形の目のボタンで締め

恐怖を見た魚の形相海は滑る

眠り運ばれ瞼はためく風の町

銀の固形の胸に押しつぶされ橋消ゆ

山脈の残像手にある或る日の巨像

手に薄き令状背はこすりにごらす

女は女に囲まれ死ぬ建築になる

斜が正解か滓煮れば煮るほど軽む字

涙で打つ岩のきわ弔いのため

目から上切断され揃う土偶の空

淡い雲の迷宮組み直す日和

パンの籠匂うバターの道すがら
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