絵形見/黒川排除 (oldsoup)
司教が柵を出るそれまでの恐い蛇
糸あっさりと天を衝き静かなる燃焼
鳥ら遊ぶ糊の湖の低い空
カサカサと鳴く魚枯れ木に漂う
絵の両手に持て余す渦模写間に合う
這う背中を受話器にくわえ込まれ通話
都市は踊る新鮮な肉を運び入れ
長い息を兼ねた鍬振り下ろし吸う
待つひとに姿を変えて座る跡地
塔燃えて白くなる太陽がまだある
蛇を吊る枝揺れず山の球体指す
身を乗り出して雨に染まる
指で擦った友人、夢に病んで現れ
さて靄の話だ子供らは出ていけ
抵抗を失い夜のかたなみを滑る
今にもくぐりそうな椅子引き摺る素顔丸めて
逆らいに河原へ殺伐と来る列
絶食の蜘蛛いて緑に染まる予知
吹き集まる砂軽がらせる蝶に下垂
息を止めている膝の上の池が冷たい
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