ノート(二季)/木立 悟
 




埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月



三月を折りたたむたび曇の声



吐息から吐息へわたる二月かな



ざらざらと白さ一月うたいけり



紅い背を追い越せぬまま九月かな



ひそむもの十月の手に現われる



もの言わぬ十一月の雨ふたつ



いつか見たすべて鏡の十二月









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