夢泥棒/
森田拓也
片足に秋の小蝶の影淋し
野良猫の影のか細く冬隣
基次郎レモンをひとつ置く書棚
さつま芋ご飯をつまむ新(さら)の箸(はし)
金柑を中心に秘めお饅頭
ふた口で終はる楽しみ栗羊羹
母の愚痴聞く耳持たず虫を聴く
美容院母の頭も紅葉かな
急用も忘れ紅葉の下にゐて
ドラえもん久(ひさ)に見て泣く夜長かな
戻る
編
削
Point
(8)