風を折る/森田拓也
 
風香り木犀と知る曲り角

木犀の香る風折りポケットに

夕刊のあとに夕焼け赤とんぼ

空?に未(いま)だ命の気配あり

木犀の香り初恋思ひ出す

ぴくりともせず蓑虫はお留守かな

夢を見る蓑虫照らす夕陽かな

虫は「鳴く」人は「泣く」字を背負はされ

虫の音の闇おとづれて人恋し

進みたる時計を戻し冬隣





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