夜の響き/
木立 悟
何を書き何を消し去る踏切夜
目の前に灯し火の音ひらく雨
歩む背に消し炭の夜やわらかく
描き出す描くともなく描く夜
春のうた頭上の夜に触れてゆく
風を見た目に棲む鳥が鳴いた夜
去る日々の折り返しかな十三夜
雨は見る金のけだもの子の歩み
手のなかを過ぎてゆく笑み夜の花
雨に憑くはばたきの音つもる夜
あなたにはあなただけの夜さようなら
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