冬とまばたき/
木立 悟
望まれてあなたの髪に入る冬
待つことも降ることもなし神帰月
呼べば降る呼ばずとも降る鬼火かな
骨の冬気付かず歩み骨となる
器たち五本の指のあたたかさ
おまえの背おまえの風が冬を描く
肉色の鳥の群れ撲つ朝陽かな
誰もみな野を見ずに吹く冬を吹く
傷を越え吹雪を越えて神楽月
髪のなかあなたのまぶた聴いている
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