無言火刑/木立 悟
 





天に飽き天かきむしる鱗雲



おまえには冬しか居らぬしるし刺す



鉄を裂き鉄かつぎあげ冬を打つ



とどめからとどめに至る永さかな



仮名の冬ふさがれし老弧の眼や哀れ



ひけらかす知の凍りつく夕べかな



焼け焦げて灰おちて冬ちかづきぬ



文字盤の空に燃される枯葉かな



裂かれてもかまわない冬ふれる頬














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