無言火刑/
木立 悟
天に飽き天かきむしる鱗雲
おまえには冬しか居らぬしるし刺す
鉄を裂き鉄かつぎあげ冬を打つ
とどめからとどめに至る永さかな
仮名の冬ふさがれし老弧の眼や哀れ
ひけらかす知の凍りつく夕べかな
焼け焦げて灰おちて冬ちかづきぬ
文字盤の空に燃される枯葉かな
裂かれてもかまわない冬ふれる頬
戻る
編
削
Point
(7)