深夜特急/吉岡ペペロ
深夜特急で愛し合う
半鐘はいけないよ、オジャンになるから
雷が落ち光り同性どうしが愛し合う
黒髪が通路をゆく
客室に耳を澄ます
世間はざらついている
あたしは白い服を架けている
掌をひたいに
ベッドのしたには裸のおんな
オープンカーで林道を行く
怨念のこびりついた古城に着く
鳥が鳴いている
ベンチにまじめなひとが座っている
あたしは門に向かって逃げ走る
取っ組み合いのレズビアン
やせたお尻に注射を打たれる
気狂いピエロが笑っている
深夜特急で愛し合う
半鐘はいけないよ、オジャンになるから
雷が落ち光り同性どうしが愛し合う
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