いつからか/吉岡ペペロ
 

車窓を過ぎる町並みを見つめるたび

そこにある暮らしに自分自身を嵌め込んでしまう

そしていつのまにか

胸を騒がせながら幸福について考えている

その書家の作品のまえで

わたしは車窓を過ぎる町並みを見つめるようだった

墨筆の息遣いに自分自身を嵌め込んでいた

そしていつのまにか

ぼろぼろ涙を流しながら合掌していた
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