いつからか/
吉岡ペペロ
車窓を過ぎる町並みを見つめるたび
そこにある暮らしに自分自身を嵌め込んでしまう
そしていつのまにか
胸を騒がせながら幸福について考えている
その書家の作品のまえで
わたしは車窓を過ぎる町並みを見つめるようだった
墨筆の息遣いに自分自身を嵌め込んでいた
そしていつのまにか
ぼろぼろ涙を流しながら合掌していた
戻る
編
削
Point
(5)