朝/
nonya
微かに発泡する空気の後味と
聞き覚えのない鳥のさえずりが
夢の波打際を漂う意識の
頼りない輪郭をなぞっていった
縺れ合った昨日までの経緯が
きれいに解けたような錯覚を
心地良く引きずりながら
玄関のドアをひらりと開けると
絞りたての陽射しの中で
可憐で柔らかなラッパが
高らかに朝を吹いていた
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