空の調べ/吉岡ペペロ

明日はゴルフだった
きょうは相変わらず忙しかった
そんな夜が
大学時代のクラブの仲間の
お通夜だった
ケータイで
しばらくぶりの友人と連絡を取り合った
お通夜のあと
粗雑な建物の出入口のそとで
後輩の変わり果てたアタマをネタに
七八人といつまでも馬鹿ばなしをした
時がながれていた
まだ三十そこそこであるのに
杖をついているやつもいた
それから三ヶ月もたたないうちに
クラブの恩師が亡くなった
こちらは僕の倍生きているのだから
悲しいわけではなかった
もうべつべつの線路だ
だけれど
最後にかけられた言葉が思い出された
大学では
歌の上手さや、カノジョなど
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