祈りが届くまで/由比良 倖
 
雨の日のコンビニ前の空間で濡れた黄色が点滅してる


瓶入りの雨を透き通らせてまた、世界の果ての夜明けを見たい


生きるには哀愁よりも血が大事。廃墟の底のプールサイドで


音楽の中に飛行機が見える。真っ赤な、光と、明るい、空と。


靴底のガラス、とっくに壊れてる、回り続ける僕の心臓


九月の水は黒髪のように冷たい。クロロホルムのように青く。


日々、広々とした夕暮れの銀河をガラスに閉じ込めていく
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