舞台/後期
撤収は予定どおり、午後五時に開始された。予定どおり、というのは、時計が五時を指していたという意味であり、撤収という行為が本当に始まったかどうかについては、確認する術がなかった。知り合いの集団は、知り合いであるという理由だけで集合し、理由があるという理由だけで解散の準備をしていた。
夕方を描いた板は五枚あった。夕焼けは美しかった、少なくとも技術的には。しかし私はその美しさを、どこか信用していなかった。新人たちが板を剥がし、トラックへと運ぶたび、私は胸の奥に、説明のつかない軽い痛みを覚えた。壁があらはになる。コンクリートは冷たく、鉄の梯子が、天井へ向かって伸びてゐる。それは逃げ道のようでもあり、
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