失敗のはずの成功/弥生 陽
 
僕があの日あんな失敗をしてなければ、むしろ生まれてなかったものがある。
ああ、君の念願の願いは、僕の失敗だったんだね。
僕が勝手に良しとする道になんの憂愁があるのだろうか。
その問いは、あまりにもちっぽけだった。
失敗のはずの中に君がいる。
神の罠を君と、だ。
戻る   Point(2)