それは素粒子よりも細やかそれはあやとりそれは贈り物第二幕/武下愛
暗闇だけの頃、触れ合い擦れる感触、肌に伝わる振動、煮詰められた咆哮、手探りした香り、譫言の熱、が、頼りだった。予めでは無い空間。空間を含めた全て、妖精の尻尾を掴むのと一緒。持ち寄った種は無駄を嫌う。存在する事だけ、ではなかったから、可能なだけ多光草へ。知らなくても、駆けていく言葉を問わなかったね。
宙に浮かぶ超光硬岩。夜の証として象徴されている。盲目の人にしか見えない。一つだけしかない空滴を捧げると、超光硬岩が明るすぎない程度に危険を防ぐくらいの明るさになった。空高くある月とは違い、見守るだけではなく、多光草と喧嘩せずにずっとあり。視界をまもってしまう。
透けて淡い色の
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