死兆星/guest
 
君達は 残念ながら
 その夜 落ちてきた星のことを 知らない

その星が 焼き落した
 街に どんな花屋があって どんなパン屋があって

朝みたいに 明るく輝いた
 影のことも 子供部屋で眠った猫のことも

なんにも 知らない
 この星も 星のことを まだ何も知らなかったように

何故 落ちてきたか
 何故 昨日まで 何も空から降って来なかったか

私は 神ではないけれど
 神であるものの姿を 少しだけ 垣間見ることがある

君達は 残念ながら
 その夜 落ちてきた星のことを 覚えていることが出来ない

何故なら その星を見ることは
 すなわち 全てが終
[次のページ]
戻る   Point(2)