let's dance a fugue!/室町 礼
底なしに劣化した日本の全言論情況を
日々(まるで炎天下に
置き去りにされた死んだカラスの臓(はらわた)を無理矢理、視
せらるように)
眼前にみせつけられている。
どこへ眼を泳がせても逃げ道は──
ほんとうにない。
ゴキブリや蟻がたかる腐った猛禽からは黒いミルク
のようなものが垂れている。その甘い匂いを嗅ぐと、
だれもが極上の阿片を一服やったかのように
頭からドブへつっこんでいくのだ。
わたしたちの国は
どうしてこんなことになってしまったのか?
いやまて、「わたしたちの国」ということさえ憚れ
る世の中だ。日本国の法制下に住むわたしたちとい
うべきか。いやいやそれす
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)