痴愛(そんな言葉、ないんだけどね)/秋葉竹
夜の風が永遠のように
幾つもの古墳を吹き荒ぶころ
いままで傷つけて来たからだを
ゆっくり休めて
それらが作られた時代を
問うてみるのもいいかもしれない
音もなく
声もなく
ただちいさな寝息を聴かせて
寝ている君の静けさが
昼間のけたたましい明るさを想い出すと
あいまいだけど
やっぱり心から好ましいんだ
三年も前にゆめなかでみた
淡い光があまりにも
清い純粋さを私の記憶に残っているから
その水色にすき透ったあの湖みたいな
その微笑みを忘れられない
ままなんだ悲しくはないよ
牙を剥くのは
ただ憎らしいからじゃなく
牙を剥くの
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