under the rose/塔野夏子
 


私たちが逢う処には
いつも薔薇の天蓋

時にその薔薇は清浄の白
時に夢幻の淡紅
あるいは情熱の深紅
あるいは此の世には無いはずの至高の青
深淵の漆黒

いずれにせよ其処には
甘い薫り立ち籠め
けれど棘の痛みも星のように
きらめいてしまうのだった

そして いずれにせよ私たちは
薔薇の天蓋に匿われなければ
逢うことは叶わないのだった


under the rose 「秘密に」を意味する熟語

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