道に吐いた唾が忘れられない模様を描き出すみたいに/ホロウ・シカエルボク
ナパーム弾のような雨が止んで気の抜けた夜の街路、そこいらに張り付いた雨粒がネオンライトで嘘と同じ綺麗さをプロデュースする、この世は鼻で笑えるくらいがいつだってちょうどいい、何かを始めようとするときに自分以外の誰かが必要になるのならそれは本当じゃないんだ、喧騒、喧騒、喧騒、掃いて捨てるほどの酔っ払いが子供の様に金切り声を上げながら歩き過ぎていくのに、彼らがまるで幸せに見えないのは、それを眺め続けている俺はそして、これから何をしようとしているのだろう、行く先が決まっていても道には迷うものだ、でも有難いことに、俺が行こうとしている道はこれまで誰も歩いたことが無い道なのだ、だから俺は素知らぬ顔をしてい
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