五体投地/
栗栖真理亜
傷跡裂ける
めりめりっと
亀裂から溢れる赤い体液
静かに眺めたまま堕ちゆく雫舐め掬う
舌の感覚柔らかく
途となった跡を指で辿る
生温かな触感に怯えながら屈折しつつ伸び上がる
そう私は待ちぼうけの民
霞の中で迷う人のように立ち尽くす
入口も出口もわからぬまま
途方に暮れた挙句
心体全て投げ出した
俘囚の民
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