余白ノ意識 、梅雨ノ入り/ひだかたけし
 
アジサイのつぼみポッポッポッ
小さな丸い輪郭集まりこんもりと
無数それぞれの速度で目覚めつつ
芽吹き咲き開く前に色付く青の

進む時の刻みに雨を受け 、

濡れそぼりつのどやかな
何も未だ起こらぬ如く
時の刻みにふるふる震え
命脈の頂へと芯の余白を残し
つぼみ着実に真っ青に染め抜き

真っ直ぐ進む時を雨降り刻み 、

色褪せる以前の色彩の躍動の
深い智の許に司られ導かれ
ポわっポわっトいつの間にか

余白余地無く真青に染め抜いて、

咲き誇るアジサイの束の間の
陥没する梅雨入り時の静かさを
青々と泳がせ見入らせ魅入らせ

最早もうこの到来スル瞬間の巨大、

伸び拡がる意識の何処までも
イノチの色々帯び濡れそぼりつ

  変容する 、

内から喚起し喚起され
射す光に充ち溢れ

変容し続ける 、時の向こう彼方へと ──





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