終焉の幕/栗栖真理亜
 
微睡のなか
みた真実は果たして真実か
吹き消された橙色の尾っぽのように後は一筋の煙と化し
目の前で展開された走馬燈は煌びやかな夢
緞帳をめくり舞台裏覗けばそこはコンクリートの壁肌
冷たい灰色が不貞腐れた顔して突っ立っている

頭を左右に振る
我が両頬を両手で引っ叩く
水を頭からひっかぶった人のように

醒めた夢は戻らない
二度と
淡いピンクや青や黄色や緑やその他様々な彩りも
絶え間なく交わされる姦しい会話も
冷たくひび割れた無機質に反響して
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