首輪と権力者/栗栖真理亜
 
時の権力者はいつも横暴で気まぐれ
どんなルールも色んな言い訳をしてぐちゃぐちゃに壊してしまう
周りを自分の思い通りにさせるためにあらゆる言葉で惑わし
今あるルールがあたかも悪法であるかのように思わせる

ほら、あなたが居眠りしているうちに
どんどん権力者の都合の良いように
すべてが作り替えられてゆくよ
それはつまりあなたにとって都合の悪いこと

明日には銃を手にとって知らない土地で戦わされているかもしれない
もしくは血の雨の降るなかで毎日怯えているかもしれない
安全ではなくなった空腹な日本で

時の権力者は安全な場所に避難していながら
安穏と阿鼻叫喚の地獄絵図を眺める為に私たちを騙し続ける

こんなときだからこそ今がどんなに辛くとも私たちは操られてはいけない
あなたが眠り込んでいるうちに権力者は背後で
あなたの首に結わい付けようと首輪を持って今か今かと待ち構えている
ほら、まさにいまそこで
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