あなたは/
短角牛
どうしてそんなに速く走れるの
私には出せないその加速度に
憧れて うらやんで 熱狂し 嫉妬して
歩き出す 涙を流していても
どうしてそんなに深く理解(わか)るの
見る間に露(あらわ)になる事実の襞(ひだ)に
感嘆し 疑って 共鳴し 絶望して
せめて見晴らす 遠浅な私の世界
どうして笑っていられるの
私が見えなくなるほどの愛に
飢えて ひきつり 感じず うつむいて
畦に咲くカタバミのように 微笑み返す
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