pass blood/ホロウ・シカエルボク
 

牢獄の幻が脳の片隅で鎖の音を鳴らし続ける長い退屈の午後、僅かな転寝の後で世界は入れ替わっているのかもしれなかった、でもだからって別に俺自身は同じものだし、特別することは変わらなかった、俺はいつだって思いつくままに文章を並べて自分の現在地を確認するだけだ、俺以外の誰が強かろうが弱かろうが、迷っていようが狂っていようが知ったこっちゃない…こんな風に言うと酷い人間みたいに聞こえるかもしれないけれど、でも人間だって本来動物なんだぜ、獣の本能の為に生きることは別に間違いじゃない、一人で狩りを続けるか、群れを成して狩るか、な、社会なんてものが存在する以上大して違いは無い、要はその中のどれを取ってどれを捨て
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