空が泣いてる/栗栖真理亜
もし少しでも良いことがあるというならこの僕に教えておくれ
空が泣いてる
しわくちゃにした虹が悲しげに少し揺れた硝子の刺が雹となって降り頻る
もし少しでも救いがあるというならこの僕を叩いてくれ
空が嘲笑ってる
もみくちゃにした夢が寂しげに少し傾いた
塵の粒子が雪となって降り注ぐ
どんなに逆立ちしたって出来ないことを僕は望んできたんだね
壁をよじ登り何とか天井を目指すけど
一番天辺もまた壁でどこにも出口がない
必死に探しても探しても見つからない
もし少しでも逃げ道があるならこの僕に教えておくれ
空が泣いてる
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