優しい沈殿/
たもつ
水のように眠った
連続する穏やかな
体液の水面
幾つかの色を見つけては
金属の味にしたがって
溶けていく
あなたが寒がるから
手袋とマフラーを買った
行く所がある訳でもないのに
大事そうに抱えて
丸まっている
この部屋が
水槽だったらよかった
沈殿するあなたの背中に
まだ優しさが残っていて
他に何も無いけれど
泣いてしまう
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