結局、血が騒ぐ/ホロウ・シカエルボク
 

鋭利な刃物が頸動脈に狙いをつけている、極彩色の夢を見た朝は、初めにそこが天国なのか現実なのか確かめることから始まる、天国ならラッキーって思うし現実ならウンザリする、でも未来があるのはいつだって現実の方さ、ステレオからグラハム・ボネットが叫んでいる、彼は見た目はすっかり爺さんになってしまったけれど、未だに昔と同じようにシャウト出来る、Since You Been Goneと叫んでいる爺、そいつはなかなかご機嫌な光景だぜ…歌えるヤツはずっと歌い続ける、それだけのことさ、あれこれと余計なものに手を染めてしまうのは、歌えないかもしれないという不安に苛まれてるヤツだけだ、そう、現実だった、今日がどんな一
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