不登校/若森
僕は朝8時15分の諦念となって
目やにの汚い気持ちの悪い顔で
正面衝突するように外に飛び出す
そんで近所にある小学校の校庭で
あどけなく遊ぶ子供たちと
会話をしようと試みる
「お兄さんは学校には行かないの?」
「う、うん。寝坊しちゃったから、サササボるんだ。」
「行ったほうがいいよ。」
濁りのない目でそう言われてしまったから
僕はもう黙り込んだ
みんなは僕だけを残して
すぐに遠くへ行ってしまう
みんなは僕だけを残して
ジャングルジムに登るんだ
僕は目から血を流しながら
その場で赤ん坊のように転がり
おんぎゃーおんぎゃーと泣き喚いた
ジャングルジムで笑っていた子供たちは
ゴキブリを見たような顔になって
一目散に逃げ出した
見上げた空には黒い雲が浮かんでいた
黒い車と
黒い花と
黒い風と
カラス
の形が担任の先生の顔に見えてきて
ふざけんなと思った
クラスメイトの顔にも見えてきて
気絶しそうになった
こんな日は
本気のスカイダイビングで自殺を図りたいぜ!
イェイ!
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