この公平な空の下で/栗栖真理亜
 
連日降り頻る雨は私の熱った体を冷やす
破れて骨組みまで曲がりくねった傘
空は相変わらず薄暗いままだ
風は私を吹き飛ばし
どこか遠くへ攫おうとしているのだろうか

せめて掴まるところでもあれば良いのに
願いなどはいつも叶う術もない
蹌踉めきながら蹲るけれど休める場所などなく
ふらつく体を何とか抑えながら立ちあがる
頭の芯はジンと傷み眠気ばかりが襲う
それは恐ろしいほど優しく囁くように
体ごと絡めとるように深く永く虚な世界へと誘う

私はこうしてまた身を潜らせる
薄汚れた正しき現
この公平な空の下で

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