詩想、猶予ノ途上/ひだかたけし
意識のザワメキの
鎮まりいく折 、
無限流れる
光輝の
視界に漲り
肉身意識を
洗い流しつつ
黄金の陽の巨大
ゆっくりゆくりと
沈みいく移動の感触
背景に赤々と焼き付く
つゆゆやけ*
黒い山肌を撫で
夏来る瞬間ノ暫し留まり
瞑目の意識に
やがて押し寄せる
漆黒の自己喪失、
虚脱恐怖未だ前の
赦し浄福の持続 、
誰とも共有できぬ
この孤独の 夢幻無限
鏡像たる今の私の本性
ナニモノカから暴かれる迄、
*つゆゆやけ=梅雨夕焼け
『花にちなんで詠む』笹峰霧子さんの昨夜作品より教わり、
俳句の季語から引用。
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