アリとアスリート/
栗栖真理亜
ゴミ箱の丸い淵
廻る廻る
小さなアリが駆け足で
クルクルクルクル
無心になってひたすら走る
オリンピックに出たいのか
金メダルが欲しいのか
驚くほど素早く
何度も何度も細い脚を滑らすことなく
走る走る
疲れすら見せず
ただがむしゃらに
ふと目を逸らしてもう一度みると
走り疲れて転落したのか
丸いプラスチックのレーンに
小さなアリの姿はもうなかった
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