U/饂飩(うどん)
宇宙が誕生する前の話を今更していた
愛だと思っていた法則が
実は随分と前から正しさを無くしていたこと
君は気づいていたんだろう
初めてのオーロラは大切な人と見るものだから
鍵を失くして帰れない僕には
もうメガネは必要ない
恒星Fが消える直前に
ひとつだけ発した言葉を
夢の中だけで 僕は永遠に憶えている
永遠に憶えていられる気がするのだから
それはきっと ほんとうの幻なんだろう
君の儚い横顔に
意味を持たせようとするつもりはない
ただ 流れ星も宇宙人もない銀河で
もう一度君の前髪を解かしたい
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