詩想、〈私である〉/ひだかたけし
 
くたくたに
何度でも落胆して
繰り返し繰り返す意志、
それすら忘れていき
只々瞑目し続ける
意識の視界に
いきなり
くわっと
眼を見開き
聳え立つ巨城 、

崩れ落ちる時進の
鳴り響く瞬間に
月明かり突き落とされ
上昇する黄金の輪郭 、

私である
秘密を携え
鋭い温かみ放ち
突き刺さり包み込み
肉身の震え小刻みに
くたくたと崩れ落ちる
私の中で
宇宙が思考する 、

 光の純粋な輝きの中に
 世界の神性がきらめく*

この意識の内なる
静やかな光のうねり
思考過程は止むことなく
次々と沸き起こり繋がり合い
感覚を超えた次元に属す魂の
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